VMware上のUbuntuにphpMyAdminをインストールする方法【2024年版】

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初めに

この記事では、VMware上に構築したUbuntu仮想マシンにphpMyAdminをインストールする手順を詳しく解説します。また、仮想環境特有のトラブルシューティング方法も記載しています。phpMyAdminを使用することで、MySQLデータベースの管理が簡単になります。

phpMyAdminとは?

phpMyAdminは、MySQLMariaDBのデータベースをWebブラウザからグラフィカルに管理できるオープンソースのツールです。通常、コマンドラインで実行されるデータベース操作を、phpMyAdminを使えば簡単にWebインターフェースで行うことができます。データベースの管理やテーブルの作成、クエリの実行、データのインポート・エクスポートなど、幅広い機能を持ちます。

UbuntuにphpMyAdminをインストールすることで、サーバー管理者やデベロッパーがデータベースをより簡単に管理できるようになります。仮想環境を使用している場合でも、phpMyAdminは有効であり、VMware上でUbuntu仮想マシンを構築してデータベース管理を行うのに役立ちます。

前提条件と環境設定

必要な前提条件

  • VMware Workstation ProVMware PlayerなどのVMwareソフトウェアを使用して、Ubuntu仮想マシンを構築済みであること。
  • Ubuntu 22.04 LTSまたはそれ以上のバージョンをインストール済みであること。
  • 仮想マシンに必要なリソース(CPU、メモリ、ディスクスペース)を適切に割り当てていること。
  • ネットワークモードが正しく設定されていること(ブリッジモードまたはNATモード)。
  • root権限またはsudo権限を持つユーザーが存在していること。

ネットワークモードの選択

VMwareのネットワークモードには、ブリッジモードNATモードがあります。これにより、仮想マシンがどのように外部のネットワークにアクセスするかが決まります。

  • ブリッジモード: 仮想マシンがホストマシンと同じネットワークに属し、他のデバイスからもアクセス可能。外部ネットワークやローカルネットワークの他のデバイスからphpMyAdminにアクセスする場合に使用。
  • NATモード: 仮想マシンがホストマシンのネットワークを経由して外部と通信。ホストマシンからphpMyAdminにアクセスできるが、他のデバイスからのアクセスは制限される。

UbuntuにphpMyAdminをインストールする手順

ステップ1: パッケージのアップデート

Ubuntuに新しいソフトウェアをインストールする前に、まずパッケージリストを最新の状態に更新することが推奨します。

sudo apt update
sudo apt upgrade

これにより、システム全体のソフトウェアが最新の状態になり、セキュリティ更新やバグ修正が適用されます。

ステップ2: LAMPスタックのインストール

phpMyAdminはLAMP環境(Linux, Apache, MySQL, PHP)が必要です。以下のコマンドでLAMPスタックをインストールします。

Apacheのインストール

sudo apt install apache2

MySQLのインストール

MySQLは、phpMyAdminが管理するデータベースサーバーです。

sudo apt install mysql-server

インストール後、MySQLサーバーが正しく動作しているか確認します。

sudo systemctl status mysql

PHPのインストール

phpMyAdminはPHPで動作するため、PHPと必要なモジュールもインストールします。

sudo apt install php libapache2-mod-php php-mysql

これにより、PHPがApacheとMySQLと連携して動作できるようになります。

MySQLのセキュリティ設定

MySQLをインストールした後、セキュリティ関連の設定を行います。

sudo mysql_secure_installation

sudo mysql_secure_installation コマンドは、MySQLサーバーの初期セキュリティ設定を行うためのスクリプトです。このスクリプトは、MySQLのデフォルトインストールに対するセキュリティリスクを軽減するために、いくつかの推奨される設定を簡単に適用できるようにします。

mysql_secure_installationで実行される主なセキュリティ設定:

  1. rootユーザーのパスワード設定(MySQL 5.7以降): MySQLのrootユーザーにパスワードを設定または変更します。rootユーザーはデータベースの最高権限を持っているため、強力なパスワードが必要です。
  2. 匿名ユーザーの削除: デフォルトでは匿名のMySQLユーザーが作成されますが、これはセキュリティリスクを伴います。このコマンドでは、匿名ユーザーを削除して、未認証の接続を防止します。
  3. リモートからのrootユーザーアクセスを無効化: デフォルトでは、MySQLのrootユーザーはリモートホストからアクセス可能ですが、セキュリティリスクが高まるため、ローカル接続のみに制限することが推奨されます。
  4. テストデータベースの削除: MySQLにはテスト用のデータベースがデフォルトで含まれており、誰でもアクセスできます。mysql_secure_installationを使うと、この不要なデータベースを削除できます。
  5. 権限テーブルのリロード: 最後に、権限テーブルをリロードして、これまでに行った変更が即座に反映されるようにします。

具体的な手順:

mysql_secure_installationを実行すると、以下のような質問が順番に表示され、それに答えて設定を進めます。

  • VALIDATE PASSWORD PLUGINの有効化
    パスワードの強度をチェックするプラグインを有効にするかどうか。強力なパスワードを推奨するための機能です。
  • rootのパスワード変更
    rootユーザーのパスワードを変更するかどうか。
  • 匿名ユーザーを削除するか
    不要な匿名ユーザーを削除することで、セキュリティを強化します。
  • リモートからのrootユーザーのアクセスを無効化するか
    リモート接続を無効にすることで、ローカルのみのアクセスに限定し、セキュリティを高めます。
  • テストデータベースの削除
    テスト用のデータベースを削除します。
  • 権限テーブルのリロード
    設定を適用するため、権限テーブルをリロードします。

phpMyAdminのインストール

次に、phpMyAdminをインストールします。依存パッケージも含めてインストールされます。

sudo apt install phpmyadmin

このインストール時に、次の設定を行います。

  • 管理者パスワードを設定。
  • 「apache2」を選択して、Webサーバーとして利用。
  • phpMyAdminのデータベース設定時に「Yes」を選択。

ApacheにphpMyAdminを設定

phpMyAdminを使用するために、Apacheの設定を確認します。必要に応じて設定ファイルを編集します。

設定ファイルを開きます。

sudo nano /etc/apache2/apache2.conf

ファイルの最後に以下を追加します。

Include /etc/phpmyadmin/apache.conf

Apacheを再起動して変更を適用します。

sudo systemctl restart apache2

sudo systemctl restart apache2 コマンドは、Apache Webサーバーを再起動するために使用されます。インストールや設定の変更を行った後にこのコマンドを実行することで、新しい設定が適用されます。特に、phpMyAdminの設定を反映させるためには、Apacheを再起動する必要があります。

MySQLでphpMyAdmin用ユーザーの作成(オプション)

セキュリティ上の理由で、phpMyAdminの管理にはrootユーザーではなく専用のユーザーを作成することが推奨されます。MySQLにログインし、次のコマンドを実行します。

sudo mysql -u root -p
CREATE USER 'phpmyadminuser'@'localhost' IDENTIFIED BY 'password';
GRANT ALL PRIVILEGES ON *.* TO 'phpmyadminuser'@'localhost';
FLUSH PRIVILEGES;
EXIT;

phpMyAdminにアクセス

Webブラウザで次のURLにアクセスしてphpMyAdminを使用できます。

http://localhost/phpmyadmin

トラブルシューティング

VMware環境でのトラブルシューティング

ネットワーク設定の確認

仮想マシンが適切にネットワークに接続されていない場合、phpMyAdminにアクセスできないことがあります。まず、VMwareのネットワーク設定を確認し、ブリッジモードNATモードが適切に設定されているか確認します。

仮想マシン内でIPアドレスを確認するには、以下のコマンドを使用します。

ip a

仮想マシンが正しいIPアドレスを取得しているか確認し、ホストマシンまたは別のデバイスから以下のURLでアクセスします。

http://[仮想マシンのIPアドレス]/phpmyadmin

phpMyAdminへのアクセスができない場合

phpMyAdminにアクセスできない場合、以下の項目を確認してください。

Apacheのステータスを確認する

Apacheが正しく動作しているか確認します。

ファイアウォールの設定を確認する

仮想マシンやホストマシンのファイアウォールがポート80(HTTP)や443(HTTPS)をブロックしていないか確認します。

phpMyAdminのインストール状態を確認する

phpMyAdminが正しくインストールされていない場合は、再インストールを試みてください。

sudo apt install --reinstall phpmyadmin

MySQLのログインに関する問題

MySQLのrootユーザーにログインできない場合は、mysql_secure_installationで設定したパスワードが正しいか確認します。MySQLのサービスが正しく動作しているかも確認します。

sudo systemctl status mysql

MySQLにログインする際のコマンドは以下の通りです。

sudo mysql -u root -p

まとめ

VMware環境において、UbuntuにphpMyAdminをインストールする方法を詳しく解説しました。また、各コマンドの意味や、仮想環境でのネットワーク設定、アクセスに関するトラブルシューティングも紹介しました。phpMyAdminを使用することで、Webブラウザを通じて簡単にMySQLデータベースを管理できるようになります。仮想環境ならではの設定に注意を払いながら、適切に構築すれば、効率的なデータベース管理が可能です。

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