Windows環境でのRamDiskソフトウエアとパフォーマンス検証

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イントロダクション

RamDiskの基本的な概要

RamDisk(RAMディスク)は、コンピュータのメモリ(RAM)をディスクドライブのように使用する技術です。
RamDiskの主な利点は、非常に高速な読み書きアクセス速度を実現しSSDよりも高速なアクセスが可能です。
ただし、電源を切ると内容が失われます。

RamDiskの基本

RamDiskとは?

RamDisk(RAMディスク)は、コンピュータのメモリ(RAM)をディスクドライブのように使用する技術です。通常、コンピュータのRAMは一時的なデータやプログラムの実行に使用されますが、RamDiskを使用すると、RAMの一部をディスクドライブとして扱い、そこにデータを読み書きできます。

RamDiskの主な利点は、非常に高速な読み書きアクセス速度です。RAMは通常、ハードディスクやSSDよりもはるかに高速でアクセスできるため、RamDiskにデータを格納すると、アプリケーションの実行やファイルの読み書きが大幅に高速化されます。

ただし、RamDiskにはいくつかの注意点もあります。RAMは電源を切ると中のデータが消えてしまうため、RamDiskに保存されたデータも同様に失われます。また、RAMは通常のディスクドライブよりも高価なため、大容量のRamdiskを作成する場合は高いコストがかかることがあります。

一般の方にもわかりやすく言えば、RamDiskはコンピュータのメモリを使って作られる、超高速の仮想ディスクドライブみたいなものです。データを保存するときに、通常のハードディスクよりもかなり速く、アプリケーションの動作を高速化できます。ただし、電源を切ると中身が消えるので、一時的な作業や一時ファイルの保存などに使われることが多いです。

RamDiskの利点

高速な読み書きアクセス: RAMは通常のディスクドライブよりもはるかに高速でアクセスできるため、RamDiskにデータを保存すると、読み書きアクセスが大幅に高速化されます。特に大容量のデータを頻繁に読み書きする場合や、高速な一時的なデータストレージが必要な場合に優れています。

低いレイテンシー: RAMはアクセスにほとんど時間がかからないため、RamDiskは非常に低いレイテンシーを提供します。これは、リアルタイムの処理や高性能なアプリケーションにとって重要です。

ディスクドライブの寿命への影響がない: RamDiskは物理的なディスクドライブとは異なり、ヘッドの移動やディスクの回転などのメカニカルな動作がないため、ディスクドライブの寿命への影響がありません。

RamDiskのデメリット

データの持続性の欠如: RamDiskに保存されたデータは、電源が切れると消えてしまいます。したがって、RamDiskは一時的なデータの保存にのみ適しており、永続的なデータの保存には向いていませんが利用するソフトウエアによっては、シャットダウン時にSSDに自動バックアップを取得し、システム起動時に復元してくれる製品もありますが、ブルースクリーンなどのOSの異常終了時にはバックアップがとれないことがありますので注意が必要です。

メモリの制限: RAMの容量は限られているため、大容量のRamdiskを作成する場合は、十分なRAMが必要です。RAMの価格も高いため、大容量のRamDiskを作成する場合はコストがかかります。

システムの安定性への影響: RamDiskに大量のデータを保存すると、RAMの使用率が高くなり、システム全体の安定性に影響を与える可能性があります。特にRAMが他の重要なシステムプロセスに必要な場合は注意が必要です。

ハードウェアとソフトウェアの準備

使用したハードウェア

  • HP Z8 G4(https://jp.ext.hp.com/prod/workstations/z8g4/)
  • Intel(R) Xeon(R) Gold 6128 CPU @ 3.40GHz 3.39 GHz (2 プロセッサ)
  • DDR4 2266 ECC REG RDIMM 32GB x 24 (768GB) 6チャンネル (32GB x 4 =128GB ,32 x 8 = 256GB, 32GB x 12 = 512GB, 32GB x 16 = 512G, 32GB x 20 = 640GB, 32GB x 24 = 768GB, 128GBずつ増加させて検証しました)
  • WD Blue SN580 2TB
  • INTEL SSDPEK1A118GA
  • Intel(R) C600+/C220+ series chipset SATA RAID Controller
  • TOSHIBA DT01ACA200 * 2(RAID 1 Mirroring)

OSおよびRamDiskソフトウェア

Windows 11 Pro for Workstations

ImDisk Toolkit 2024-02-10 (Freeware)
フリーソフトウエアです。それなりに歴史のあるソフトウエアですが、ベンチマーク時の結果を見る限り、マルチCPUマルチスレッドでは動作しない模様です。
https://sourceforge.net/projects/imdisk-toolkit/

SoftPerfect RAM Disk 4.4.1 (約4,500 Yen : 29.00 USD)
有償となりますが、1か月程の試用期間があります。
筆者はベンチマーク後に購入しました。
マルチCPUマルチスレッド対応でパフォーマンスはとても良いです。
NUMAにも対応し実行するCPUを設定することも可能です。
https://www.softperfect.com/products/ramdisk/

ベンチマークソフトウェア

CrystalDiskMark 8.0.5 x64

有名なベンチマークソフトウエアです。

CrystalDiskMark - Crystal Dew World [ja]
各種ストレージ (HDD, SSD, USBメモリなど) の速度を測定するベンチマークソフトです。 ダウンロー

Ram Benchmark 1.4

Ramdiskのベンチマークではありませんが、Ramのベンチマークソフトウエアも実行してみました。
マルチCPUマルチスレッドでは動作しない模様です。
また、メモリチャンネル増加時も変わりませんでした。 
https://vovsoft.com/software/ram-benchmark/

ベンチマーク結果

本体のRAM128GBと768GB時のベンチマークの結果を記載します。

ベンチマークをする毎に10%ぐらい結果がぶれることを確認しています。そのため当ベンチマークは一つの指標程度として利用してください。
本体メモリが256GB、384GB、512GB、512GBでのベンチマークも実施していますが、詳細結果は別記事に記載予定です。

各RamDiskへの割り当て量は16GBもしくは64GBとなってます。後から同じ容量で試験しておけばと思いました。

結論からいうと、一部を除きSoftPerfect RAM Disk 768GB(チャンネル数6)が最速でした。
ImDisk Toolkitは、メモリ数やCPUのコア数などではあまりスケールしないようです。

SoftPerfect RamDisk 64GB確保 本体搭載RAM 768GB(6チャンネルメモリ)

ベンチマークテスト中のCPU負荷

ImDisk Toolkit RamDisk 16GB確保 本体搭載RAM 768GB

ベンチマークテスト中のCPU負荷

参考:本体搭載RAM 768GB RAM Benchmark

SoftPerfect RamDisk 32GB確保 本体搭載RAM 128GB

ベンチマークテスト中のCPU負荷

ImDisk Toolkit RamDisk 16GB確保 本体搭載RAM 128GB 

ベンチマークテスト中のCPU負荷

参考:本体搭載RAM128GB Ram Benchmark

ベンチマーク結果の分析

SoftPerfect RAM Diskはマルチスレッドが可能であり全CPUを利用している模様です。メモリチャンネルも有効的に利用されているようです。
本体搭載RAMが768GB時には以下性能を発揮しました。
シーケンシャルリードは約47GB/sec。シーケンシャルライトは約24GB/secとなり、本体搭載RAMが128GB時と比べて約2倍の速度が得られています。
ただし、ランダムリードは8GB/sec。ランダムライトは0.5GB/secとなり、本体搭載RAMが128GB時の約1割程度の増速が得られています。

一方、ImDisk Toolkitはマルチスレッドの動作が無いようで全てのCPUを利用しない模様です。メモリチャンネルもあまり有効に利用していないように見えます。
本体搭載RAMが768GB時には以下性能を発揮しました。
シーケンシャルリードは約4.5GB/sec。シーケンシャルライトは約3.4GB/sec。
ランダムリードは1GB/sec。ランダムライトは0.7GB/sec。
  
ランダムライト機能を除いて、SoftPerfect RAM DiskはImDisk Toolkitより高性能といえます。


参考までに、本PCのSSDとHDDベンチマーク結果を記載します。
Ramdiskの方が圧倒的なスピードを実現可能です。

WD Blue SN580 2TB

INTEL SSDPEK1A118GA

Intel(R) C600+/C220+ series chipset SATA RAID ControllerTOSHIBA DT01ACA200 * 2(RAID 1 Mirroring)

結論と考察

ベンチマーク結果の意義は、やはりRamDiskはHDDやSSDよりも圧倒的な性能を発揮することが明らかになったことです。今回の検証では利用するRamDiskソフトウェアによっても性能に違いが見られました。

結論として、SSDが利用されるようなった現在でもRamDiskはシステムのパフォーマンスを飛躍的に向上させる可能性が示されました。その高速な読み書き速度とリソースの最適活用は、多岐に渡る用途に適しています。これにより、アプリケーションの起動時間やデータの処理速度が大幅に向上する可能性があります。また、VMWareの仮想マシンの新規作成や再構築などが高速に行えることが挙げられシステムを高速にデプロイすることが可能となりました。

RamDiskはSSDとは異なり書き込み寿命の心配がないため、大容量データの書き込みにも適しています。ただし、十分なメモリリソースが必要であり、データの永続性については注意が必要です。SoftPerfect RAM Diskには、シャットダウン時にデータをHDDなどに退避し、システム起動時にそれを読み込む機能がありますので、この機能を活用することも検討してください。

私はこれらの結果からSoftPerfect RAM Diskを購入し利用することにしました。

また、Windows 11で128GB以上のメモリを利用する場合は、Windows 11 Pro for Workstations以上のライセンスが必要になることに留意してください。

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